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PCに向ひて心に移り行くよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば怪しうこそ物狂ほしけれ。
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2013年1月2日(水)


今回、紹介するのは、西尾維新著の『少女不十分』。


登場するのは、小説家志望の大学生と、特殊な価値観を持った少女だけ。

物語は、この大学生が10年後小説家になり、大学生時代だった10年前のことを独白する形で進んでいく。


この話に関しては、妖怪や化物、超能力者といった超常現象とは無縁である。

普通の大学生と、普通の少女しか出てこない。
ただ、少女の価値基準が、一般的とされるソレとは異なるというだけで…。

まァ、この「だけ」が、『少女不十分』という物語の核だ。

少女が、何故そのような価値観を抱くに至ったのかは、物語終盤、あっさりと発覚する。

言い換えれば、物語終盤まで意味不明のまま、少女と主人公の奇妙な関係が続くのだ。


…とは云え、とりあえずオチはつく。

どちらかと言えば、ハッピーエンドだろうと思う。


しかし、本当に「エンド」なのか?

実のところ、2人の物語は始まったところなのだから。
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