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PCに向ひて心に移り行くよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば怪しうこそ物狂ほしけれ。
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2012年6月26日(火)

6月22日の14:56、携帯電話が鳴った。

ディスプレイに表示されたのは、親父の名前。
受話口から聞こえた「Tomか?」の声が、或る予感を確信にかえた。

「今朝、お婆ちゃん急変しての…もう、息しとらんのじゃ。」

17時半豊川駅発の列車に飛び乗り、あわただしく帰省した。


祖母に対面したのは、翌土曜日の昼近く。

化粧も済まされて、眠ってるかのような死顔でした。

少し、ホッとした。
苦しまずに逝けたんだな…と思えたからだ。


かくしゃくとしてて100歳まで余裕で生きてそうだったけど、
実際、「百まではいきようかいのう」なんて、本人も言ってたけど、
ちょっとボケて、ここ2年ほど体調も崩しがちだった。

それでも去年の夏、会いに行ったときは、まだまだ元気で何だか110くらいまで生きそうだったのに。

今思えば、あの夏、祖母に会っておこうと思ったのも突然だったな。
ある種の予感だったのか…。


まァ、何だかんだと言っても、祖母は98歳…大往生だ。

呼吸が止まる寸前、一筋涙を流し、そのまま眠るように逝ったのだとか。
覚悟の最期か。
そう、あれたらいいなと、私は思った。


世が世なら良家の子息たちである。
お袋が言うところの「付き合いづらい親戚」とも、祖母は上手く折り合っていた。

曾祖母が亡くなってからは、ほぼ断絶だった主屋(本家)からの参列は無かったが、
従伯父や従叔母の何人かは顔を出した。


通夜式のあと、伯父と親父と私とで祖母に付き添った。

実は仲が悪いんじゃないかと思うくらい、交流の少なかった伯父と親父だが、
…実際、若い頃はやんちゃ(悪い意味で)だった兄を親父は敬遠してたみたいだけど…、
この時は、2人で色んな話をしていた。

「寝とってもええぞ」と言われたけど、そんな2人が新鮮で、何だか面白くて、ずっと2人の会話を聞いていた。

何だ、やっぱ兄弟なんじゃん…と思った。

まァ、この歳になったからというのも、あるのかも知れない。
祖母が、兄弟仲良くせいよーと言っているかのようにも思えた。

伯父が親父に言った、「ワシに、送らすなよ」という言葉に泣きそうになった。


葬儀の翌日、
瀬戸大橋線が信号の故障で不通になっており、復旧の目処がたっていないということで、
今治駅から、しまなみライナーに乗った。

瀬戸内海の島々と海を見てたら、何故か涙が出た。
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